Works
Untitled
Untitled, 2013 Digital print この作品は、アクリル板に透明絵の具を使って描写した絵をオーバーヘッド・プロジェクターで投影し、それを写真で撮影しデジタル加工を加えたものである。当時、1つのコンセプトからどれだけ多様な表現を構築することができるかに興味を持っていた。根底にあったのは細胞や、雪の結晶を顕微鏡で覗いたときに見える科学的でミクロなイメージである。特に、花粉などを顕微鏡で観察すると、自然界の物質がとても複雑な形と強烈な色合で存在していることが、私には衝撃的であった。またアーネスト・ヘッケルや、カール・ブロッシュフェルトといった作家の作品も、このシリーズを制作するうえでとても大きな影響を与えてくれた。一見美しいと思っている身の回りにあるものを顕微鏡で見ると、時に恐ろしく奇妙でショッキングなイメージを見せることがある。その美しさの後ろに隠れた自然界独特の色や形に生物の本質を見るのである。 This work involves projecting an image painted with transparent paints on an acrylic sheet using an overhead projector, photographing the projection, and then digitally enhancing the...
Untitled
Untitled, 2013 Digital print この作品は、アクリル板に透明絵の具を使って描写した絵をオーバーヘッド・プロジェクターで投影し、それを写真で撮影しデジタル加工を加えたものである。当時、1つのコンセプトからどれだけ多様な表現を構築することができるかに興味を持っていた。根底にあったのは細胞や、雪の結晶を顕微鏡で覗いたときに見える科学的でミクロなイメージである。特に、花粉などを顕微鏡で観察すると、自然界の物質がとても複雑な形と強烈な色合で存在していることが、私には衝撃的であった。またアーネスト・ヘッケルや、カール・ブロッシュフェルトといった作家の作品も、このシリーズを制作するうえでとても大きな影響を与えてくれた。一見美しいと思っている身の回りにあるものを顕微鏡で見ると、時に恐ろしく奇妙でショッキングなイメージを見せることがある。その美しさの後ろに隠れた自然界独特の色や形に生物の本質を見るのである。 This work involves projecting an image painted with transparent paints on an acrylic sheet using an overhead projector, photographing the projection, and then digitally enhancing the...
Photographs
Photographs、2013 韓国でレジデンスプログラムに参加していた2012年頃、インスタレーションの作品とペインティングのシリーズの制作の傍、私はよく写真を撮りに行った。特に興味を持ったのは石や氷、といった自然の物質であった。韓国出身のもの派の代表的作家として知られるリー・ウーファンの思想に傾倒していたのも理由の1つかもしれない。また、同時期に制作していた蝶々のシリーズで追求していた物質の観察標本といったイメージも、この写真の構図によく現れていると思う。 ロンドンで撮影した家や木もそういった考えを意識しながら撮影した。一つの物体のもつ存在感に、もう一度しっかりと向き合いたいと考えていたのだ。 この作品の数枚は、オーストリアパースで行われた。サイレント・オークションに出品し、財団に寄付した。当時のコンセプトは、ウルフエマーソンからとったと言う文章である。 Around 2012, when I was participating in a residency program in Korea, I often went out to take photographs alongside creating installation works and a...
Photographs
Photographs、2013 韓国でレジデンスプログラムに参加していた2012年頃、インスタレーションの作品とペインティングのシリーズの制作の傍、私はよく写真を撮りに行った。特に興味を持ったのは石や氷、といった自然の物質であった。韓国出身のもの派の代表的作家として知られるリー・ウーファンの思想に傾倒していたのも理由の1つかもしれない。また、同時期に制作していた蝶々のシリーズで追求していた物質の観察標本といったイメージも、この写真の構図によく現れていると思う。 ロンドンで撮影した家や木もそういった考えを意識しながら撮影した。一つの物体のもつ存在感に、もう一度しっかりと向き合いたいと考えていたのだ。 この作品の数枚は、オーストリアパースで行われた。サイレント・オークションに出品し、財団に寄付した。当時のコンセプトは、ウルフエマーソンからとったと言う文章である。 Around 2012, when I was participating in a residency program in Korea, I often went out to take photographs alongside creating installation works and a...
Contingentia
Contingentia, 2014 PaintingOil, glass pigment, acrylic board300x300mm (each) InstallationOil, glass pigment, acrylic board, overhead projectorDimensions variable Contingentiaとは、「偶然」という意味である。この言葉を展覧会のタイトルにしたのは、九鬼周造の「偶然性の問題」を読んだのがきっかけであった。 この本の中で、九鬼周造は、「必然」の反対を「偶然」と考え「意図」の反語として「不図」という言葉を用いている。図らずともという意味を持つこの言葉は、現在では、ふとした瞬間に・・・や、ふと思いついた・・・等と用いられることが多い。このシリーズで私が追求していたことも物質と物質が起こす偶然の化学反応であった。それは人間の意図を超えて起こる現象でもあり、完全にコントロール出来ないことがある。 その現象の不思議をオーバーヘッド・プロジェクターを用いて可視化し、芸術作品として提示することが目的であった。芸術表現において作者の主体性と客体性は、哲学的大きなテーマとしてある。自己組織化する化学反応を芸術表現として取り入れることは可能であろうか。アクリル板に凝固した化学反応と、まさに今、自己組織化している物質と物質をプロジェクターを通して体験してもらう試みであった。 Contingentia means "chance" or "contingency." I chose this word as the title of...
Contingentia
Contingentia, 2014 PaintingOil, glass pigment, acrylic board300x300mm (each) InstallationOil, glass pigment, acrylic board, overhead projectorDimensions variable Contingentiaとは、「偶然」という意味である。この言葉を展覧会のタイトルにしたのは、九鬼周造の「偶然性の問題」を読んだのがきっかけであった。 この本の中で、九鬼周造は、「必然」の反対を「偶然」と考え「意図」の反語として「不図」という言葉を用いている。図らずともという意味を持つこの言葉は、現在では、ふとした瞬間に・・・や、ふと思いついた・・・等と用いられることが多い。このシリーズで私が追求していたことも物質と物質が起こす偶然の化学反応であった。それは人間の意図を超えて起こる現象でもあり、完全にコントロール出来ないことがある。 その現象の不思議をオーバーヘッド・プロジェクターを用いて可視化し、芸術作品として提示することが目的であった。芸術表現において作者の主体性と客体性は、哲学的大きなテーマとしてある。自己組織化する化学反応を芸術表現として取り入れることは可能であろうか。アクリル板に凝固した化学反応と、まさに今、自己組織化している物質と物質をプロジェクターを通して体験してもらう試みであった。 Contingentia means "chance" or "contingency." I chose this word as the title of...
Chimeric Town
Chimeric Town, 2012 Public projection in Tokushima, JapanOil, glass pigment, acrylic board, overhead projectorDimensions variable このシリーズは、オーバーヘッド・プロジェクターを野外に持ち出し、投影したものである。プロジェクターが映し出す有機的な形や色は、アクリル板の上に透明絵の具を用いて描写したものだ。そのイメージが建築や自然の中に投影されることで、日常の風景が一部、幻想的なものになる。2012年に韓国国立美術館のレジデンス・プログラムで制作した作品だ。このコンセプトを基に徳島県でもいくつかのプロジェクションを行い撮影した。日常的な景色を変容させる試みは、グラフィティーに通じるものがある。しかし、プロジェクションは一時的なものであり、その時の気候や天気によって現れるイメージが異なる。その為、全く同じイメージを再現することはできない。雨が降ると水の表面の映像が反射し、更に幻想的な表情を見せてくれた。 This series involves taking an overhead projector outdoors and projecting images. The organic shapes...
Chimeric Town
Chimeric Town, 2012 Public projection in Tokushima, JapanOil, glass pigment, acrylic board, overhead projectorDimensions variable このシリーズは、オーバーヘッド・プロジェクターを野外に持ち出し、投影したものである。プロジェクターが映し出す有機的な形や色は、アクリル板の上に透明絵の具を用いて描写したものだ。そのイメージが建築や自然の中に投影されることで、日常の風景が一部、幻想的なものになる。2012年に韓国国立美術館のレジデンス・プログラムで制作した作品だ。このコンセプトを基に徳島県でもいくつかのプロジェクションを行い撮影した。日常的な景色を変容させる試みは、グラフィティーに通じるものがある。しかし、プロジェクションは一時的なものであり、その時の気候や天気によって現れるイメージが異なる。その為、全く同じイメージを再現することはできない。雨が降ると水の表面の映像が反射し、更に幻想的な表情を見せてくれた。 This series involves taking an overhead projector outdoors and projecting images. The organic shapes...
How does your garden grow?
How does your garden grow?, 2018 PaintingOil, glass pigment, acrylic board300x300mm 蝶々の線対称の形は、不思議なイメージを私たちに想起させる。時に、悲劇的であり、同時 に成長や飛躍を連想させ神秘的だ。 蝶々の羽根は、環境に適応しながら独特の模様に成長する。そして、蝶々の種類によってその模様の色や形は様々だ。 この作品は、オイルと、ガラス、油絵の具が偶然に混ざり合うことで生まれる予期できない形や色を基に制作した。そして、ストライプの模様や砕いたガラスの反射が、詩的な意味を 作品に与えてくれることを期待している。 The butterfly, which is a symbol of symmetrical forms, implies an air of mystery. They...
How does your garden grow?
How does your garden grow?, 2018 PaintingOil, glass pigment, acrylic board300x300mm 蝶々の線対称の形は、不思議なイメージを私たちに想起させる。時に、悲劇的であり、同時 に成長や飛躍を連想させ神秘的だ。 蝶々の羽根は、環境に適応しながら独特の模様に成長する。そして、蝶々の種類によってその模様の色や形は様々だ。 この作品は、オイルと、ガラス、油絵の具が偶然に混ざり合うことで生まれる予期できない形や色を基に制作した。そして、ストライプの模様や砕いたガラスの反射が、詩的な意味を 作品に与えてくれることを期待している。 The butterfly, which is a symbol of symmetrical forms, implies an air of mystery. They...
Leaves and Cells
Leaves and Cells, 2011 watercolor, oil, copier acetate 210x297mm このシリーズは、顕微鏡を覗いた時に見える化学的なイメージを基に制作した。花粉や細胞を顕微鏡で除くと強烈な色合いや形が見える。肉眼では見ることのできない有機的な形状と自然界に秘められた法則を学びながら絵に応用したかった。フィリップ・バルの「Shapes」、「Branches」、イアン・スチュアートの「自然界の秘められたデザイン 雪の結晶はなぜ六角形なのか? 」、雪の結晶の写真版を作った中谷宇吉郎の著作は特に参考にした書籍である。また、セントラル・セント・マーチンズの図書館で見つけた化学標本や細胞の顕微鏡写真をファイルアップしたのをよく覚えている。顕微鏡で観察するとまるでゴッホの絵のように見ることから、彼の名を冠したウイルスがいたことも記憶に新しい。 自然界の生物は線対称に成長するようできており、その生物が生きる環境によって、形を変化させながら適応している。温度や太陽の位置、湿度などが、線対称に影響を与え我々は成長する。全ての生物の根源は小さな粒子であることもこのシリーズの表現に重要であった。このシリーズを通じて、スチュアート・カウフマンの「自己組織化」の理論に辿り着くことができたのは、私の芸術活動にとって大きな発見であった。 This series was inspired by the chemical imagery visible under a microscope. Observing pollen or cells...
Leaves and Cells
Leaves and Cells, 2011 watercolor, oil, copier acetate 210x297mm このシリーズは、顕微鏡を覗いた時に見える化学的なイメージを基に制作した。花粉や細胞を顕微鏡で除くと強烈な色合いや形が見える。肉眼では見ることのできない有機的な形状と自然界に秘められた法則を学びながら絵に応用したかった。フィリップ・バルの「Shapes」、「Branches」、イアン・スチュアートの「自然界の秘められたデザイン 雪の結晶はなぜ六角形なのか? 」、雪の結晶の写真版を作った中谷宇吉郎の著作は特に参考にした書籍である。また、セントラル・セント・マーチンズの図書館で見つけた化学標本や細胞の顕微鏡写真をファイルアップしたのをよく覚えている。顕微鏡で観察するとまるでゴッホの絵のように見ることから、彼の名を冠したウイルスがいたことも記憶に新しい。 自然界の生物は線対称に成長するようできており、その生物が生きる環境によって、形を変化させながら適応している。温度や太陽の位置、湿度などが、線対称に影響を与え我々は成長する。全ての生物の根源は小さな粒子であることもこのシリーズの表現に重要であった。このシリーズを通じて、スチュアート・カウフマンの「自己組織化」の理論に辿り着くことができたのは、私の芸術活動にとって大きな発見であった。 This series was inspired by the chemical imagery visible under a microscope. Observing pollen or cells...